「どっか行こう」
と言って外に出てはみたものの
「さてどこに行こう…」
とうろうろしながら延々と迷うのはとてもひさしぶりな気がしました。
ケンケンと自転車で近くの湖のある山に向かいましたのです。横に川の流れる山道を進みながら中学のころを思い出しました。
そのころ、この辺りの川辺にいわゆる秘密基地の設置を企てていたのです。日曜日になると3人ぐらいでばたばたとやっていたと思います。刀を作ったりもしました。家のフェンスの一部をもぎ取って、これを焚き火で焙るのです。そして柔らかくなったところをひたすらとんかちで叩いて平べったくするのですね。これが面白かったのです。ただ焚き火をしてると山道下りのおばさんに注意されちゃうのですのよね。
(´~`)
あんときゃひたすら憎たらしかったですに。
そんな秘密基地らいふも2ヶ月くらいたったある日。いつもの様にみんなで川辺にいくと異臭がするのに気付きました。なんだなんだとこの異臭の発生源を調べるため周りをうろうろすると、川をほんの少し、10メートルくらい上ったところで、川の中に大量の魚がぷかぷか浮いているのを発見しました。異臭はこの魚達の死臭だったのです。
おかしなことに魚がぷかぷか浮いているのは一箇所のみで、川の他の場所は至って正常なのでした。誰かがおさかな達の嫌がらせに魚の死体をぼこぼこ投げ込んだんじゃないかなんて思いました。真相は解明されないまま、とにかくみんな気味が悪くなってそれ以後ぱったりと秘密基地設置計画は止んでしまいました。