三途の川おさかなのブログ

だらだらしている

えーバカですとも

うーん…なんだか眠れない。眠いのに眠れない。そして寒い。おそらく1時間もまともに寝られてないのです。でもベンチの上じゃあしょうがない。昨日からの続きです。現在地は長野県、信濃大町駅前。時刻は午前4時過ぎというところ。始発の電車は5時34分なので、あと1時間30分も待たなければなりません。かばんの中から文庫本を取り出し、がちがち震えながら読み進めました。乙一さんの暗黒童話なのでした。

お待ちかねの電車がやってきました。乗り換えのために電車から降りることになる南小谷駅まではおよそ1時間ほどの時間があったので、景色も眺めたかったのですけれど、ひたすら眠ってしまいました。昨日は無駄に歩きまくりでしたので、まだまだ疲れが取れて無いのです。

南小谷駅で、次なる電車を待ち合わせ。なんとまた1時間30分ほど待つのです。駅前を観光して行ってくれよということなのでしょうか。乗客の皆さんはどうやらみんな旅人の様で、みんなで駅前をうろうろしたりしていました。言葉は交わさないものの、みんな親近感を感じていたように思います。ところで南小谷駅は名に恥じぬ南小谷ぶりをしていました。この小さな駅を出ると、右手に大きな橋が掛かっているのが目につきました。そいで、早速その橋の上にやってきて、そこから下を覗き込むと、小さな谷に川が流れているのでした。そのまま視線を上に持っていくと、山々の景色が広がりました。うっひゃあ自然だあ!と同時にうっひゃあど田舎~という感想が浮かびました。駅前はこの景色を眺める以外、何にも暇を過ごす術を持っておりませんでした。いやいや、それが良いとこなのですよ。

9時37分、新潟県直江津駅に着きました。そこからてくてく歩くこと10数分。ついに日本海のヤロウが姿を現しました。台風が過ぎた直後だったので、海はまだざばざばと荒れていて、若干小雨がぱらついておりました。昨日の晴々のほほんとした熱海の海とはまるで対称的なのです。早速、バッグからペットボトルを取り出して中に入った太平洋を日本海に注ぎ込みました。これで、日本海は500ミリリットル…いや、先駆者がおりましたので、1リットルほど太平洋になったというわけです。ペットボトルからどぼどぼと日本海に注ぎ込まれる太平洋を見つめながら、達成感と共に虚しさを感じました。浜辺に50匹ぐらいのウミネコがいたので、しばらく追っかけ回した後、帰りの旅路に着きました。

道中、越後湯沢駅でおみやげなんぞ買うためにちょっと降りてみました。駅構内のお酒コーナーみたいなところでは、飲んだくれてぶっ倒れたおっさんの等身大人形が転がしてあり、なかなか衝撃的なのでした。その側に親子丼が美味しそうな食べ物屋さんがあったので、お昼はそこで食べることにしました。店員さんはこちらを警戒しているんじゃないかというくらい、やたら愛想の無い姉ちゃんで、ちょっと驚きました。

ふと店の天井を見上げたら、そこにはサイン色紙がぺたぺたと貼ってありました。知ってる人いるかなあと眺めてると、例の猫マークを見つけました。オーケンのサイン色紙なのです。たまたま入った店にあったことと、オーケンもここで食事をしたのかーという気持ちでなんだか嬉しくなってしまいましたわ。親子丼も美味しいし、この店を選んで正解でした。お会計の際、さっきとは違う姉ちゃんが出てきたのですが、なんとその人も愛想が無いような感じなのでした。東北の人は初対面の人にはやたら警戒心を抱くけど、仲良くなると、とてもやさしいみたいな話をどこぞで聞いたようなことを思い出したのですけれど、ほんとにそういう人多いのでしょうか。

その後は何事も無く、夕方、実家に辿り着きました。ほっとひと息。とても濃い3日間で、時間の流れがとてもゆっくりに感じられました。これからも色々なとこへ旅してみたいものです。