三途の川おさかなのブログ

だらだらしている

時間は深夜0時。今日の始まりです。昨日からの続きなので、まだガストにおります。

先日、とあるホームページでこんな話を読みました。旅行したいのだけど、特に明確な目的が無い。目的も無いのにただ移動するだけの旅行というのも面白みに欠けるので、太平洋の水を日本海に注ぐという目的を起て、実行した。

ホームページにはご丁寧に太平洋の水をペットボトルに溜めるシーン、ペットボトルに入った太平洋の水を日本海に注ぐシーンが掲載されていました。そのあまりの馬鹿らしさに、おさかなは痛く感動してしまいました。

…ということで、その感動をさらに素晴らしいものにすべく、おさかなも実際に太平洋を日本海に注いでみることにしました。ぶらり旅のおおよその経路が決まりましたのです。

計画を立てている最中から、ひよりさんと少しメールを交換しておりました。すると、朝、駅でちょっと気まづいお話会でもやりますかというお話になりましたのです。これは楽しみです。

2時過ぎ、テーブルの上に突っ伏して、ひとまず睡眠をとることにしました。この体勢はちょっと寝苦しい。すかいらーくのバイトをやっていると、ソファーの上にごろんと横になって寝てしまうお客さんを見ることがあるのです。おさかなも出来れば今、それをやりたい。しかし、店員の冷ややかな目を無視して、そこまでやれる度胸は無いのです。

4時ごろ、会計を済ませお店を出ると、店員さんがお店を急いで出てきました。げ、また忘れ物でもしたのかなと考えを巡らせました。しかし

「これ」

と言って差し出された店員さんの手にはレシートがあるのでした。鬼気迫る顔をした店員さんの迫力に、思わずそれを受け取ってしまいました。

「な…なんで?」

てくてくと、昨日駅からやってきた道をひたすら引き返していると、歩道の1角にあるベンチの側に1匹の猫を見つけました。こいつには昨日もここで会ったのです。どうやらこの1本の木を囲う円形のベンチ周辺がこいつの定位置のようなのです。

猫に1メートルほど近づくと、少しだけ間を空けられました。そこで、さらに近づいてみると、また少しだけ間を空けられました。面白いので5、6回これを続けてみました。この猫には、他者が踏み込むことをゆるさない猫エリアが存在するようです。なんだかよくわからない記念に猫を撮影し、その場を後にしました。

駅には5時ごろに着きました。ひよりさんは5時30ごろに駅にいると伝えておいたのでケータイのアラームをセットして、ちょっと仮眠を取ることにしました。ぐー。これがガストで寝てたきよりもよく眠れてしまい、30分はコマ落しの用に経ち、起きたらひよりさんがいました。おはようございます。

それから7時ちょっと前まで、おはなしをして、お別れをすることになりました。その際、おみやげにチョコあ~んぱんをいただきました。おさかなにとってはこれ以上は無いと言えるようなシロモノなのです。味は言うまでもなく、パッケージに描かれたヒゲキャラがまたいい味を出しているのです。もっとヒゲが多くても良いんですけれど。ありがとうございました。

それから、小説を読み終わった後に感じるようなほんわかとした気分がしばらく続きました。昨日から今日に掛けては夢であった様な気さえします。

そして、ふたたび熱海にやって来ました。昨日は20分ほどという少ない時間しかいられなかったのですけれど、今日は思う存分熱海のヘンテコな街並みを堪能出来るのです。浜辺に降りて、太平洋を500mlのペットボトルいっぱいに詰め込んだら、街の中を適当にほっつき歩きました。

天気は快晴。走ってもないのにだらだら汗が出てまいりまして、早くも温泉のことが脳裏をよぎります。

目指す温泉、山梨県は紅富士の湯へは御殿場駅からバスで40分。そこから5分で着くという話でした。しかし、バスから降りて、適当に歩いていたら道に迷ったようでして、温泉を見つけたときには1時間は経っていたのでした。ただ、めずらしい景色の中を歩きましたので、あまり損をしたという気分にはなりませんでした。

紅富士の湯の入館料は700円なのですが、学割が効きまして500円になりました。とてもお求め安いお値段です。看板を見て、やられました。紅富士には"ベニフジ"とフリ仮名がフられていたのですけれど、おさかなは"アカフジ"と読んでおりましたのです。どうでも良いことなのです。

名前に富士が付くだけあって、ここの浴場からは富士山が眺められるのです。設備にはサウナ、ジェットバス等ひととおりのものが揃っておりました。もう1週間ぐらいお風呂に入っていないような気分にこの温泉は絶大な癒やしの効果を与えてくれました。1時間ほど入っておりました。

湯上りサワヤカ気分で次の目的地、富士吉田駅を目指します。富士山を中心にして、太平洋側で1番近いのが御殿場駅日本海側が富士吉田駅なのです。紅富士の湯最寄のバス停から富士吉田駅までは20分程で着くそうなのですが、手違いがあって、バスを逃してしまいました。バス停で一緒に待っていた知らないじーちゃんと悔しがっておりました。次のバスが来るのは1時間以上後なのです。こんなところでそんなに待つのは退屈なので、駅まで歩くことを決心しました。バスで20分のところ、歩くとどんなにかかることやら。

富士山の近くって自衛隊の施設みたいなものがあるんでしたっけ。道をとぼとぼ歩いていると、異常な位、自衛隊の車とすれ違うのです。カモフラージュの為、葉っぱがもさもさと敷き詰められたような幕を車は被っておりました。それにはなんか値札みたいな物が付いていました。取らなくて良いのでしょうか。

車の通りの多い、ひたすら真っ直ぐに伸びた道路が続いていて、いけどもいけども先が見えません。景色は右も左も雑木林一色、上からはご機嫌な太陽が容赦なく照り付けます。歩いていても面白みがあまり無い。そしてなにより、せっかく温泉に入ってサワヤカ気分になったというのに、もう汗が出てきて台無しなのです。おのれバスめ。

1時間30分ほど歩いて、ようやく町らしい景色が広がりました。それからもうしばらく歩きますと、富士吉田駅の名前のある地図が掲げられてあるのを見つけました。ここに来るまで、駅名が書いてあるような箇所は目にしておりませんでしたので、ちょっと不安だったのですけれど、ようやく安心しました。自分にご褒美ということで、コンビニに寄り、ガリガリクンを買ってあげました。

あと30分も歩けば駅に着くだろうと思いきや、またしても道に迷ったようで、予想に反し1時間30分もさ迷い歩いておりました。誰かが行く手を阻んでいるのだ。きっと。

電車に乗り、立ち止まりますと、足の疲れがぐぐっと伝わってきました。富士吉田駅から大槻…いやいや、大月駅までを結ぶ富士急行の各駅では、表札の片隅に標高が記してありました。おそらくその場所の標高なのだと思います。

19時31分、小淵沢で次の電車を1時間待ち。外に出てみるとちょっと小雨が降っていたのですけれど気にしない。ちょっとお店の並ぶ路地に入ってみたのですけれど、おかしい。まだ20時前だと言うのに、開いてる店が一軒も無い。ガソリンスタンドさえ真っ暗け。町は死んだ様に静まり返っていて、ただ小雨の音がぱさぱさと響き渡るばかりなのでした。こちらの方だと、これくらいの時間に店を閉めるのが一般的なのでしょうか。それとも単にこの駅周辺だけが寂れているのでしょうか。それは良いとして、夜の静けさって良いなと思いました。

20分ぐらいほっつき歩いて、駅に戻ってきました。ここにはそばうどん屋さんがくっついておりました。お腹が空きましたので、そばを注文しました。お店の人が妙に笑顔なのが気になりました。食べてると、親子連れの方がやってきて、注文をしました。母親と思われる人がお店の人と会話するのを聞いていると、もうお店を閉める時間だったんだとか。なるほど、さっきの妙な笑顔の謎が解けました。

電車がやって来ました。ほいっと車内に入ったら、なんとなく気にいらなかったので、電車の最前列に移動することにしました。車両と車両の間のドアを開けるのがめんどくさかったので、一旦電車を降りますと、丁度、電車出発のアナウンスが入りました。

「閉まるドアにご注意下さい」

閉まるな~!

Σ(゜Д゜;)

うおらっとおさかなが車内に向かって飛んだとき、ドアは数センチほど閉まる状態に近づいているところでした。片足が電車の床に着いたとき、胴体をドアにぴったりと挟まれてしまいました。右半身が車内に入っていて、左半身は外にはみ出ているのです。おさかなの知っている電車のドアは、人が挟まったらすぐに開いてくれるものなのです。でもこのドア、強情で開いてくれないのです。左肩にバッグを下げていたのですけれど、それが引っ掛かって、これ以上中に入れない。今のおさかな、非常口に駆け込むあの人のポーズにそっくりです。結局、駅のホームにいた知らない兄ちゃんに助けてもらい、無事に車内に入ることが出来ました。窓から彼に向かって、助かりましたよありがとうと会釈をしました。ほんの一瞬の出来事でしたが、これは今日最大のビッグイベントであったように思います。

(´∀`)

松本駅で30分待ち。時間は22時に迫るところです。良い街ならば、ここで寝ようかとも思いました。結構栄えていたのですけれど、なんとなく深夜は危なげな気がしましたので、予定どおり次の電車に乗りました。

23時ちょっと前、信濃大町駅下車。小淵沢駅同様、静かな町なのです。今日はこの町のどこかで寝るわけなのですけれど、どこで寝よう。雨が降っているので、駅前にある寝心地の良さそうなベンチは使えないのです。駅前はすぐ商店街となっており、幸い、路肩には屋根が延々と伸びているのでした。そこをてくてくと歩いていくと、屋根付きのテーブル、椅子が一式あるちょっとした空間がありました。とりあえず1ヶ所確保です。

他に良い場所は無いかなとさらに進んでみますと、神社に来てしまいました。神社を見つけるとお賽銭したくなります。お賽銭を終えると、さきほど見つけた空間に戻り、寝ることにしました。それから20分もしないうちに寝心地の悪さに我慢出来ずに立ち上がってしまいました。宛ても無くふらふらとさ迷っていると、いつの間にやら雨が止んでおりましまた。結局、最初に見つけた駅のベンチに行き着きました。もう歩けない。今度こそおやすみなさい。