朝、仕事場へは電車で1時間40分ほどかかるのです。まだ割りと空いている電車内のドア付近で、壁に背を預けて立ち寝していて、気がついたら目の前まで人が詰まっていました。車内の空気が薄いんです。おさかなは苦しくなって、力が抜けてきて、その場にしゃがみ込んでしまいました。危うく気を失うところでございました。目的の駅に着いて、ホームに降りたものの、柱の下でしばらくしゃがみ込んでいました。救われた。空気ってうまいんだ。
社内におやつや飲み物が放置してあって、食べ放題です。まだ遠慮していますけれど。
帰りの電車で目を覚ますと、優先席に座っているじいさんに目を奪われました。ぐしゃっとつぶれた黒い帽子に黄色の色メガネを装着し、白い口ヒゲを蓄えて、黒いロングコートを羽織り、白い袴にカラフル草履を履いた、まるで魔法使いの様なじいさんです。
これは良いじいさんだと思って、メモ帳を広げ、スケッチしようと顔をあげたら、じいさんの姿はどこにもありませんでした。心に残るじいさんです。
