バイトの最中、お客さんに胸元のネームプレートを見られて、名字で呼ばれるのはなんだか嫌なのです。数人の若者たちがいて、その中の1人が前にこの店に来たときにおさかなを見て、それを覚えていたらしくって、勝手に
「あの人友達」
とか言っておるんです。その若者たちの隣のテーブルを拭いていると
「ねっ」
とか、振ってくるのですけれど、じつはおさかなはその若者のことを覚えていないのです。おさかなもまだ若者なわけなのですけれど、若者の顔がどれもおんなじ様に見えてくるのです。いわゆるギャル男と呼ばれる様な人達のことなのです。外人の顔がみな同じに見えるのと同じ様なものなのですね。