三途の川おさかなのブログ

だらだらしている

これはあるラーメン屋の話なんだが

うまい塩ラーメンを出す店があるのだけれど、店主が少し変わっている。レビューサイトではとても丁寧な対応をすると評判ではある。

夜7時ごろに来店すると店内に先客はいなかった。

券売機でラーメンの食券をふたり分買い、カウンター席の前で、まとめて渡そうとする。

すると「お一つずつ受け取ります」と、お金を入れる緑のフサフサが付いたトレーをそれぞれの席の前方、カウンターの棚に置き、そのトレー内に食券を置くことを促された。

誰が何を頼んだのかをハッキリさせるための手段なのだろう。

それからすぐトイレを利用した。店に入る前からがまんしていたのだ。席に戻り、ラーメンが出てくるのを待つ。なんかゴシゴシする音が聞こえてきた。音が聞こえてくる方向はぼくが出てきたトイレからだ。厨房に店主の姿は無い。トイレ掃除をしているのだ。

今、それをするのか。客にラーメンを用意することを差し置いて、トイレ掃除をしている。もしかして店主、怒ってる?勝手に利用しちゃいけなかったんだろうか?一声、トイレお借りして良いですかと声をかけるべきだった?ぼくは混乱した。なんか悪いことをしてしまったのではないかとそわそわした。

トイレから出てきた店主は何事もなく、丁寧にラーメンを提供をしてくれ、食べ方のワンポイントアドバイスをしてくれた。以前にも食べたことはあるものの、なにか光るものを感じる、おいしい塩ラーメンだ。

店主は確かに丁寧なのだけど、どこか、その奥に病的なものを感じる。ラーメン店で個性のある店主というと頑固な職人みたいなものをイメージしたりするのだけど、そういう感じではない。

店を出てみて感じることは、ラーメンがうまかったってことよりも、店主の放つ雰囲気がとにかく独特だったということだ。3回ほど来店しているけれど、今回はよりそれ強く感じた。

おいしい塩ラーメンと、謎の店主を拝みに、また訪れたいと思う。