三途の川おさかなのブログ

だらだらしている

家路キャンセル

暗くなった。帰り道。駅を降りて、歩く。もうあと200mほどで自宅に着くぞという様なところ。横から黒い影が近づいてきた。

「すいません。これがどこにあるかわかりませんか」

異国の姉さんがスマホの画面を見せてきた。廃業してそうなボロい床屋が映っている。

「家に帰れないんです。最近越してきたばかりで、道に迷ってしまって。もうずっとぐるぐる同じ様なところを回っています。暗くなって景色が変わってしまった」

驚くほど悲壮感を漂わせている。床屋は家の近くにあるもので、帰るときの目印にしているようだ。見たことある様な無い様な。床屋の名前が認識出来たので、グーグルマップで検索してみる。ヒットしない。やっぱり廃業してしばらく経つ床屋なのだろう。

ほかになにかヒントになりそうな物は無いのか。住所を教えてくれた。それがあるなら楽勝じゃないか。彼女のスマホにグーグルマップは入ってないのか。無いらしい。調べてみると、ここから6分ほどで着くところだった。

現在地から直線を引くともっと近いのだが、道が迷路の様に入り組んでいて、迷子になるのも頷ける経路だった。しょうがないので、家が見えるとこまで、案内した。どこの国の人なのか聞いたら。インド人だった。手を合わせて感謝された。ほっこりした気持ち。罠じゃなくて良かった。

こんどこそ帰り道。カレーの話でもすれば、少し盛り上がったりしたのかもと後悔した。カレーの国の人の、この近辺のカレー屋の評価が気になるところだ。

朝 ベースブレッド
昼 豆カレー
晩 シャケ
体重 58.3kg